平成25年度精神保健福祉地域普及講演会が、1月18日(土)に豊田産業文化センターで行われました。
参加者の皆様には、土曜日の午前中という多忙な時間であるにも係らず、ご参加いただきありがとうございました。
講演は、終始和やかな雰囲気で進行しました。
日本は、「こどもビール」などがあるように、幼少から「酒は飲んでいいもの」という認識を植えつけられる「過許容的飲酒文化」を持つ国である。そして、事ある毎にお酒がからむ国であるといったお話から、十二指腸回炎や心筋梗塞、肝硬変、脳に起こるウェルニッケ症候群やコルサコフ症候群などアルコールにより起こる様々な病気など取り上げながら、我々に身近なアルコールに潜む危険について分かりやすい講演をしていただきました。
体の病気は飲むのをやめたら何とかなる。一番困るのは、社会的信用の回復。これは、飲んできたのと同じくらいの期間が必要といわれている。そして、また飲めば家族にとってはOからのスタートになる、とのことでした。しかし、一方で、家族もアルコールを飲む本人と共に共依存症という病気に陥っていることが多く、こどももアダルトチルドレンといわれる大人になるなど、家族そのものに大きな影響を与えるものでもあるそうです。治療を始めるにあたっては、飲んでいる本人を何とかするよりも、まずそうした家族が回復への道を歩きはじめること。そのために、断酒会やAA、精神科の病院などが有効であるというお話でした。
講師の甲斐先生、お疲れ様でした。